大東亜共栄軒 1
Great east asia co-prosperity Restaurant 1

2006年4月29日
out-lounge 大塚・東京

中島美美+田中洋平 (日本)





写真は2002年11月カナダのトロントで行われた「7a*11d 国際パフォーマンスアートフェスティバル」での中島さんのパフォーマンスです。タイトルは「風、枝を鳴らさず」。このフェスティバルにはイトー・ターリさんも参加していました。私はこのとき初めて彼女の作品を見ました。彼女は東京芸大の大学院に在籍していました。

彼女はリクルートスーツを着、パンプスを履いて、どかどかと2階にある会場に息を切らせて走りこんできました。彼女は大学院の卒業を翌年に控えており、何人かの友人がリクルートスーツを着て、会社訪問を繰り返していた時期でした。

次に彼女は体につけていたビデオカメラからテープを抜き出し、用意してあったモニタに映像を映し出しました。そこにはパンプスのカツカツいう音、彼女の息を切らせる音、ブレまくるトロントの夜の風景(といってもほとんどが路面ですが)が映し出されていました。初めはそれが、今しがた彼女が経験したものだとは気づきませんでした。

それから彼女は観客を呼び、靴紐を彼女のコートに縫い付けるように指示します。

その後コートを鋏で切り取り、座布団のように椅子に敷き、かばんをかぶりました。

それから、座っていた椅子を壁に押し付け、10メートルほど椅子を壁沿いにゆっくり移動させました。

彼女の作品が終わったとき、ビデオの映像も終わりました。(荒井真一)



「風、枝を鳴らさず」

私のパフォーマンスは、日々前向きに対処しようとしている日常的な問題から作り出される。
私が問題を解決しようと試みる時、考えることで哲学的な結論に行き着くときがある。それは理由といわれる領域である。

その解決をそのまま適用しようとすると、現実的な解決に至らない場合が多い。
「考える」ということと「行動する」ということの間にあるズレをパフォーマンスで表現したい。
いつも物事をはっきりさせようとすると、曖昧さが立ち上がる。
その曖昧さ自体を表現するのはとても難しいけど、
パフォーマンスはその曖昧さを認識するのに適した方法だと考えている。
パフォーマンスアートでは、人々は時間と場所を共有することで、発見を経験する。
(中島美美)

中島美々(美美)

1976年
 生まれる

1997年 東京藝術大学油画科入学

1998年 日本国際パフォーマンスフェスティバル(東京、長野、名古屋)

1999年 Rand(オーストリア/リンツ)

2000年 Randscape展(東京)
Castle of Imagenation(ポーランド)
PERFORMANCE ART!(東京)

2001年 東京藝術大学油画科修士課程入学

2002年 アートホラー(千葉)
7a*11d国際パフォーマンスアートフェスティバル(カナダ/トロント)

2003年 東京藝術大学油画科修士課程卒業
La-bas2003(フィンランド/ヘルシンキ)
mutual fields展(オーストリア/ザルツブルグ)

2004年 個展(フタバ画廊/東京)
5th Open Art Festival(中国/北京)
Voice of Site(旧坂本小学校/東京)
新種の種(スタジオBig Art/神奈川)

2005年 6月 Voice of Site (Visual Arts Gallery, New York)
10月 個展 (遊工房アートスペース/東京)

2006年 4月 大東亜共栄軒(out-lounge/東京)

田中洋平

1975年12月 東京生まれ。

2001年 東京藝術大学美術学部油画科卒業

2003年 「いとでんわ」フィルムラバーズフェスタ2003/東京

2005年 「BIG FAMILY FESTA」六本木ヒルズ森タワー40階/東京
「Voice of Site」VISUAL ARTS GALLERY/New York
「光興/MITSUOKI」遊工房 /東京

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