feastakeo--鈴木健雄特集

「 ハードコア実験音楽の散歩道 」

1998年9月13日(日)午後2時30分開演  1,000円
会場/ 三鷹市芸術文化センター・第一音楽練習室
三鷹市上連雀 6-12-14 tel0422-47-9100 
三鷹駅下車南口・徒歩12分。
または 3, 5, 6, 7, 8番乗り場から小田急バス5分・八幡前下車

プログラム(予定)

鈴木健雄作品(演奏も)
1.On C (ピアノ一台とメトロノーム、数名の奏者による)
2.ディレイテープ2組によるソロ(1つはアンプリファイド)
3.テープヘッド(口を共鳴箱にして)による演奏+ピアノ伴奏(乙部聖子)

休憩

4.健雄物語  谷川まり
5.Pseudo-Suzuki system  荒井真一
6.タケオのために 三枝由起夫

休憩

7.観客を含めた口琴の合奏(観客用の口琴も用意します)
8.向井千恵ソロから、
 鈴木健雄とゲスト全員(向井千恵、竹田賢一、乙部聖子、風巻隆、福福物語)による演奏

鈴木健雄略歴
1958 生まれ
1976 トランペットにさわる
1979 ヴェッタ・ミュージック・ワークショップに加わる
1980 テープレコーダーをいじる
1984 倍音唱法をためす
1991 近江商法会(会頭: 松沢呉一、研究所長: 中野純)に加わる
1996 福福物語(荒井真一、三枝由起夫、谷川まり)に加わる
1997 チャンゴにふれる

鈴木健雄録音作品
「Howling Music」(vol.1-3)(第五列テープ)
「Howling Music」(vol.2.5)(STEEPLE & GLOBE TAPES)
「EXERCISE OF」(STEEPLE & GLOBE TAPES)
「労働の夢・夢の労働 福福物語Live '96」(天然福福、1998)

****鈴木健雄について  荒井真一******

鈴木健雄は略歴から分かるとおり70年代後半から音楽をはじめた。
本人は否定するだろうが、オルタナティブなシーンをじっくりと歩んできた。
彼は、その間亡くなった友人渡辺浩一郎のCDを編纂したり、数々のマイナーなイベントや録音に参加してきた。
今回は、彼の個展を企画した。
彼の仕事を言葉で紹介するのは難しい。
1つは倍音唱法(ホーミー)や口琴
1つはテープディレイによる音と時間の関係を直感的に楽しむ行為
1つはヴェッタ・ミュージック・ワークショップに始まる非-ミュージシャンとミュージシャンを分けることを拒否し、その分割を楽しく乗り越えていく演奏の可能性への注目。これは即興への注目や新しい楽器的システムの制作=構築に繋がる
私たち福福物語のメンバーは彼のやっていることに、不思議に惹かれてきた。
それは、実はひょうひょうと音との関係を楽しむ彼こそが「ハードコアな実験音楽」をこの時代に続けているからではないかと思い、この個展の副題とした。
聞くこと、音を出すこと、その当たり前で平凡にさえ見える中に、今でも素晴らしい宝物が隠されていることを、皆さんに再び気づいていただくために、このイベントを捧げます。


福福物語 実験室vol.7

出演=鈴木健雄、三枝由起夫、谷川まり、荒井真一(以上福福物語)+参加者

時=1998年4月26日(Sun) PM2:00〜 参加費=無料

所=武蔵野市民会館音楽室(JR中央線武蔵境駅下車、北口徒歩5分) 0422-51-9144

★鈴木健雄の時間

カセットでのテープディレイによるソロ・パフォーマンス。
今まで何度もやっているが、特に今回何もやることがないので、
とりあえず頭に浮かんだことをしてみようと思う。

★三枝由起夫の時間

・ スライド投影 『アキヒトの青春+イクコの青春』『敗戦50年』
『有終の想像力』
・ 複数の独白 「殺害しました」「強姦しました」「破壊しました」
・ 笛の合奏 『汗馬の労』

★谷川まりの時間

未定

★荒井真一の時間
------------------男根的ロマン主義の果て------------------------
コロニアル風と植民地 男と女 買春夫と売春婦
円とタンザニアシリング 真一とLily
(95/10/08 『現場の力;敗戦50年のために』ピース大阪, 大阪 荒井真一 + 三枝由起夫 95/11/28 『現場の力;有終の想像力』ショウボート, 高円寺, 東京 荒井真一 + 三枝由起夫
の二つのパフォーマンスの荒井真一による改訂増補版)

●福福物語 実験室vol.6報告

時=1997年12月14日(Sun)

前回の福福物語では、コーネリアス・カーデューの"Great Learning"パラグラフ7を行った。他のパラグラフも検討したが、ノン・ミュージシャンだけでも行えるのはこれだけのようだったので。
参加者は福福の4人のメンバーの他は1人、計5人。
この曲は、うたっている他の人の音程から自分の次の音を探し、進めていくものなのだが、人数が少ないため、かなり苦しんだ。選べる音が少ないこと、結果的に全体の音の響きが薄いものになってしまうこと、また、選んだ音程を変えずに発声することのむずかしさ、など。多数でやれば絶対面白い、といってくれた唯一のメンバー以外の参加者の意見に次回への希望をつなぎたい。
なお、今回は三枝氏によるテキストの日本語訳で行った。これはおそらく世界初(?)の試みだった。言葉の意味がわかってよい、との感想あり。(鈴木健雄)


●福福物語 実験室vol.6 

時=1997年12月14日(Sun) PM6:30〜 
参加費=無料
所=武蔵野市民会館音楽室
(JR中央線武蔵境駅下車、北口徒歩5分) 0422-51-9144

出演=鈴木健雄、三枝由起夫、谷川まり、荒井真一(以上福福物語)+参加者

1.Cornelius Cardew(1936.5.7-1981.12.13)
  Paragraph 7 of Great Learning
2.谷川まり
  ジャミラB

前々回の「Schooltime Special」に続き、今回はカーデューの「 Great Learning(孔子の『大学より)」最終章である第7章を取り上げます。下に掲げたのがスコアです(準備中)。当日必ず持参して下さい。先ず、初めにこのスコアをどう解釈するかを話し合い、それから演奏に移ります。
カーデューはイギリスの作曲家で、保守的なイギリス音楽界に実験音楽を精力的に紹介しました。ドイツでシュトックハウゼンの助手も務めましたが、後に共産主義者として、ブルジョワ的な音楽を批判する立場に転じました。集団即興演奏の可能性を早くから追求し(AMM)、音楽的な素養のない人とある人が一緒に演奏するスクラッチ・オーケストラを組織しました。そのオーケストラにはイーノやギャビン・ブライヤーズなども参加していました。1979年以降イギリス革命的共産党の中央委員としても活動していましたが、81年12月13日暗殺ではないかと言われる交通事故で亡くなりました。
谷川まりの「ジャミラB」は来年1月に谷川が行う同名のパフォーマンスを参加者が彼女とともに体験するものです。

●福福物語 実験室vol.5報告
時=1997年10月26日(Sun)
前回は谷川まりのパフォーマンスの練習に参加者が音、声等で参加しました。
鈴木健雄はホーミの講習会をやりました。
荒井真一は彼のパフォーマンスで重要な行為である本を朗読し、その後ページを破り口に含み、その動作を続けるということを参加者に要請し、2名の参加者とともに実行しました。
三枝由起夫は、自製の小型発振器を用意し参加者全員で合奏しました。
前回、福福のメンバー以外の参加者は1名でした。
 (荒井真一 arai@j.email.ne.jp


●実験室vol.5

時=1997年10月26日(Sun) PM6:30〜 
参加費=無料
所=武蔵野市民会館2階講座室   

出演=鈴木健雄、三枝由起夫、谷川まり、荒井真一(以上福福物語)+参加者
武蔵野市民会館2階講座室(JR中央線武蔵境駅下車、北口徒歩5分)0422-51-9144

今回も福福のメンバーそれぞれが時間を持ち、その間は彼/彼女のインストラクションにしたがって他のメンバーや参加者がPerformします。

今回の予定は以下のとおりです。
**鈴木健雄の時間**
倍音唱法(ホーミィ/ホーメイ)を試してみる。

**荒井真一の時間**
本を破り、口に入れながら朗読してみる。
(参加を希望する人は、自分の嫌悪する本か溺愛する本を持参下さい)

**三枝由起夫の時間**
サイン波発生器を使っての合奏。

**谷川まりの時間**
未定

[実験室について]
福福物語は1996年に結成されたパフォーマンスユニットです。私たちはエンターテインメントとしての、芸術としての、消費としての、メッセージとして以外のパフォーマンスの可能性を探るために、この「実験室」を設けました。
日常生活自体が怪物のように非日常化している現代という状況の中で、その状況をどう反時代的に表現するのか、どう対処すれば(楽しく)生き続けられるのかを、この「実験室」を通して参加者とともに考えていきたいのです。多くの人々が、ペルーもルワンダもボスニア・ヘルツェゴビナも日本と違いすぎるとは思えなくなっており、10年前よりも現在の方が辛いと思っているのに、芸術もマスメディアも学校も何もかもがそれを明らかに無視しています。福福物語は私たち自身が(楽しく)生き延びるために活動します。
しかし、それを「実験室」として参加者とともにパフォーマンスを行ったり、ライブを行うのは孤立していく自分たちと社会をどうにか結びつけていこうという意思、あるいは来るべき芸術のデッサンを模索する意思からです。ですから「実験室」に参加する方には、積極的に「実験」に参加(あるいは傍観)されることで、そこで生起する「現場の力」関係を体験し、話し合いにおいては多様な意見を述べられることを期待しています。

                      

●福福物語 実験室vol.4報告
****Cornelius Cardewの「Schooltime Special」を中心に**** 

時=1997年8月31日(Sun)

前回、メンバー以外の参加者は5人でした。
カーデューの「Schooltime Special」については、福福物語と参加者で、その楽譜(インストラクション)をどう解釈するか、先ず話し合いました。その後40分ぐらいの演奏が行われました。使われた音源(楽器)は、エレキギター、クラリネット、チャンゴ(韓国の太鼓)、ムックリ、サイン波発生器、声、踊り等でした。即興でありながらも常に楽譜に縛られている感覚が新鮮だったという意見、いわゆる即興演奏が本格化する前の懐かしさを感じたという意見、みんなで演奏することに楽しさを感じたという意見が出ました。カーデューについては現在「スクラッチ・ミュージック」のテキストを福福で解析? しています。とても気になる作家なので、また取り上げる予定です(彼の命日である12月に実現できればいいのですが)。
その後、谷川まりの時間は彼女の声と踊りのアクションが行われました。



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