荒井真一のパフォーマンス
1999年から2009年まで 

at GRACE EXHIBITION SPACE

2009年5月9日

荒井真一 + ジル・マクダミッド
"ありがとう ヨーゼフ・ボイス"

美学校の学生だった1984年、日本での回顧展のためにヨーゼフ・ボイスが来日した。彼はいくつかのレクチャーを行い、わたしは朝日新聞社のホールに行った。中に入れない人がたくさんいて外にはモニターが急遽用意された。レクチャー後聴衆は列をなしてボイスのサインをもらった。わたしもようやくトートバッグにサインをもらい大感激した。その頃私たちはどうやったらボイスのように社会を変える彫刻やインスタレーション、パフォーマンスが日本でも可能か議論した。

その頃小西ヤスにあった。小西ヤスはドイツでボイスの教室にいた。有名な東ベルリンのメーデーのデモの後、掃除をするパフォーマンスに参加し、ボイスと一緒に写真にも写っている。小西ヤスは日本に帰ってきてからも「ギャラリー・メルド(糞)」を友人と江古田に作ったり、ジャパン・フルクサスを名乗っていた。わたしが年上の友人に小西ヤスとつきあいがあることを話すと「やめとけ」と言われた。数年前彼が貸し画廊で個展をやっていると見ず知らずの男がやってきて、突然会場で大便をして、悠然と帰っていったというのだ。そしてそれが小西ヤスであり、被害者(?)は彼だけではなかったのだ。

最近はヨーゼフ・ボイスのことをあまり考えなくなった。以前ほど重要には思えなくなったからだ。
数年前北京で素晴らしいランドアートを作る中国の友人のアパートに行ったところ、彼の本棚に中国語のヨーゼフ・ボイスの評伝があった。
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ジルが "Leve Sieht Beuys"からコピーしたボイスの作品にバターと蜂蜜を塗る


おもちゃのウサギと散歩する


箸でジルが用意したコピーの作品をつまみ、わさび醤油をつけ、口に押し込む。
そして合掌し「ありがとうヨーゼフ・ボイス」と言う










24枚のコピーのうち23枚のコピーで続行が不可能となる


最後に「すべての人は芸術家である。わたしをのぞいては」と黒板に書く


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荒井真一 (web master/shinichiarai@hotmail.com