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プレスリリース

2008222 Gallery mestalla


来る426日から29日、ギャラリーメスタージャは荒井真一との共同企画により、東アジアで活躍する先鋭的パフォーマンスアーティスト8人と日本人アーティスト3人によるパフォーマンスフェスティバルを開催いたします。


イベント名

小東亜共栄軒08 Small East Asia coprosperity Restaurant 08

開催日
2008426日(土曜日)Vasan Sitthiket (ワサン・シティケット/タイ)川端希満子 
2006427日(日曜日)Chaw Ei Thein (チョーエイ・ティン/ビルマ)、李文(リー・ウェン/シンガポール)、荒井真一
2006428日(月曜日)舒陽(シュー・ヤン/中国)、劉るーしゃん(リュウ・ルーシャン/在日中国人)、田上真知子
2006429日(火曜日/昭和の日)段英梅(ドゥアン・インメイ/中国)陳進(チェン・ジン/中国)、KUM
Soni(クム・ソニ/在日コリアン)
各日7時開演 *各日ともパフォーマンスの後に来日アーティストのレクチャーと懇親会あり。入場料:1日券1500円、4日券3000
開催場所
Gallery mestalla
101-0065東京都千代田区西神田2-3-5千栄ビル1階
Tel03-6666-5500
Fax03-6666-5856
URL:http://www.gallerymestalla.co.jp/
E-mailinfo@gallerymestalla.co.jp
イベント内容
パフォーマンスアートは1970年代前半から活発化した美術表現です。
この表現方法は1990年代、特に東アジア地域で独特な発展を遂げたように思います。

それは美学的な表現の枠を超え、社会、政治と相渉り、個人的な表現はもとより、コミュニティに根ざした表現を模索していったからです。そのため美術の一ジャンルという隘路に迷い込むことなく、おおらかで、楽しく、しかも現代の生活に批評的でもある表現となってきました。それは、民俗芸能(芸人)、政治的デモンストレーション、コミュニティの祝祭をも含んで止揚するような表現になっているともいえます。

しかし、今まで日本の美術ジャーナリズムやマスメディアではその側面がちゃんと紹介されてきたとは思えません。というのは、80年代後期の「(日本以外の)アジア美術はエキセントリックで、エネルギッシュ」という紹介に見られる「オリエンタリズム(サィード)」を通した視点や、日本の現代美術が90年代以降、欧米のアートマーケットに本格的に参入していく中での商業的視点では、その側面をすくい取ることができなかったからです。

今回、紹介する11人の作家は、東アジアの各国で社会、経済、政治、ジェンダーの問題にパフォーマンスアートを通して(も)取り組んできました。そのため日本では社会派とか政治的とくくられてしまうような表現だと思います。そして「社会派とか政治的」であることが芸術的価値を貶めるという感想を実際「大東亜共栄軒」(06年に開催)の際に何回か聞きました。政治や社会問題は新聞、テレビで政治家や評論家が語ったり、市民運動がかかわるものだ。またカルスタの学者だけがアカデミックにポストコロニアリズムを語ることができ、フェミニズムについてもしかり(だから芸術家は芸術に専念したほうがよい)というのは確かに「心地よい」でしょう。しかし明治時代、近代的なはずの文学者(芸術家)たちが大逆事件に対して金縛りにあったかのように「無口」になったとき、石川啄木は「時代閉塞の現状」を書きました。「社会派とか政治的」という言葉を聞くとき、私は啄木と同じ閉塞感を感じてしまいます。「パフォーマンスアート」には「サバイバルアート」という別名があることを書き添えておきたいと思います。

東アジア各国での「不気味なナショナリズム」の勃興を目にすることが多いなか、このささやかなフェスティバルが東アジアの作家たちと観客との交感、交流の場となる「小さな屋台」となることを願っています。

また、このフェスティバルは「ギグメンタ2008ー美学校1969年の現在ー展」に参加しております。(荒井真一)