小東亜共栄軒08
2008年4月29日
東京

段英梅(ドゥアン・インメイ/中国)




設置されたビデオの映像















1969年生。「北京・東村」*1の数少ない女性メンバーの1人。栄栄(ロンロン)に東村の作家(馬六明、朱冥など)のポートレイトやパフォーマンスの写真を撮ることをアドバイスした。東村の作家による「名もない山の標高を1m高くする」(1995年)にも参加。1998年ドイツ移住。マリーナ・アブラモビッチ*2にパフォーマンスアートを学ぶ。東村時代の自画像の作品から一貫して、真摯に「自分」を成立させているもの(ジェンダー、社会環境など)のありかた、構造を追求している。自画像を描いた女性は彼女が中国美術史上初めてだったと思われる(革命前、美術にとって(も)女性はオブジェクトであり、革命期・革命後も女性が美術に参加することは文学よりもまれであったから)。

*1 北京郊外の村1993年ごろから家賃の安さに若いアーティストが移り住むようになる。従来の絵画や彫刻というスタイルでは、自分たちを表現しきれないという思いからパフォーマンスアートを試みる作家が増える。数々のパフォーマンスが作家の住居(スタジオ)で行われる。95年夏公安の取り締まりが激化、数人のアーティストが拘留されるにいたり、自然壊滅した。東村出身の作家の多くは現在中国アートの売れっ子である。
*2 Marina Abramovicは1946年旧ユーゴスラビア生まれの女性アーティスト。1970年代よりパフォーマンスを始める。97年のヴェネチア・ビエンナーレでは骨を磨き続けるパフォーマンスで、グランプリを受賞。 越後妻有アートトリエンナーレ2000では古い民家を改装した「夢の家」を 制作した。彼女の学生を荒井はもう1人知っている。Nezaket Ekiciというトルコ系ドイツ人のパフォーマンスアーティストである。


さとう三千魚

今日も、「小東亜共栄軒」を見に行ってきました。
ルーシャン(中国)
インメイ(中国)
チェンジン(中国)
クム・ソニ(在日コリアン3世)
まったく、素敵な人々。世界にこんな素敵な人たちがいることに、うれしくなる。

とくにインメイのパフォーマンスに打たれた。
台の上に全裸でその女性は立っていた。
花瓶をかかえたままポーズをとるモデルのように。
そして、ゴミだらけの部屋をふらふらと歩き回る。
囚われている者たちのように。
アウシュビッツの人々のように。
一糸まとわずに囚われ、儚く崩れていく者たち。
儚いもの。
崩れていくもの。
わたしたちの暮らしのなかにあるアウシュビッツ。
囚われた者たちの夢。夢。夢。夢。夢。
わたしたちの詩、(自由?)は、
この囚われ、儚く崩れていく者たちの先にあると思いたい。

さとう三千魚 ひなた日記より
http://d.hatena.ne.jp/michuio_sato_63632/20080429


公式ホームページ
http://www.yingmei-art.com/zh/
イギリス版wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Yingmei_Duan
http://arts.tom.com/1005/2005311-20092.html


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